よく「海外は自由でいい」「日本の学校はルールが多い」と言われます。一方、「でも日本の学校の教育力は高い!」という声も。

本当のところはどうなんでしょう?

両方の学校での指導経験から、比べてみたいと思います。


教科書

日本の小学校では、昔から教科書を使って指導するのが一般的ですよね。もちろん、単元によってはワークシートなどを使用することもありますが、どの小学校でも教科書は無料で配布されます。

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一方オーストラリアではどうでしょう?

自分の授業時間以外に、授業を見学したり、補助したりすることは多かったですが、教科書らしきものを見たことがありません!もちろん、ワークブックやドリルなどはありました。ただ、日本にある、いわゆる「教科書」はなく、それぞれの時間に先生が教材を準備していました。


カリキュラムについては、担当の先生が教科ごとにいて、指導計画を毎年立てるそう。(これは日本も同じですが、「教科書」や指導要領などのベースがあります。)

それが理由かどうかは分かりませんが、オーストラリアの方がゆったりと授業を進めていたように思います。日本のように「時数が足りない!」と指導計画に追われることはまずありません。


また、先生が考える課題も子どもたちが興味をもてるよう工夫されていて、私もとても勉強になりました。教え合いや子どもたちの自主性を促すような授業はオーストラリアの方が上かもしれません。


ただ、算数の学習内容は明らかに日本の方がレベルが高く、オーストラリアでは6年生でも九九を覚えていない子が大半。(日本では考えられません。)それぞれ良い面、悪い面がありますね。



②iPad program

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もう一つ日本と大きく違うのが、grade5、6の子どもたちは、一人一台iPadを持っているという点。もちろん、iPadは自己負担です。「iPadを全員買って、持って来なさい!」なんて日本ではまず言えません。(平均所得が1000万を超えると言われるオーストラリアならではですよね!)


各教室にはWiFiがあり、ICT担当の先生(コンピューターのプロ!)が子どもたち一人一人のiPadWiFiを接続してくれます。授業で使うアプリは、各家庭で事前にダウンロードしておくよう指示があります。(アプリのリストが配布されますが、合計金額は1万円くらい!これも高額ですよね


子どもたちは授業の中で、iPadやアプリの操作方法を学んでいきます。レポートや課題の提出をiPadで行うことも多く、grade6になると、ほとんどの子が自在に操っています。

「日本といえばコンピューター!」と思っていましたが、オーストラリアの情報教育のレベルの高さに驚かされました。